常にベストコンディションを。(吉田 一貴さん)
吉田 一貴さん/Mr. Kazuki Yoshida
(専攻楽器声楽/voice)
[ 2024.07.19 ]
アッリーゴ・ボーイト音楽院
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の吉田 一貴です。
昨年の主役でのオペラデビューから、幸せなことにイタリアだけではなくヨーロッパ内で様々なコンサートやオペラへ出演させていただいております。
それらに出演していて毎回、ベストコンディションで演奏することがとても難しいことを痛感しました。
<オペラ「ドン・カルロ」の公演より>
プロの演奏家であればそのような事はあり得ない、あってはならないと思いますが、私たち声楽家は自らの身体を楽器としているので、身体の疲労や喉の違和感、気分が落ち込んだりするとすぐにそれらが声に現れ、最悪な場合は声が出なくなる可能性もあります。
これはどの演奏家も感じると思いますが、自分の身体を楽器としている声楽家はより感じていると思います。
<オペラ「ドン・カルロ」の公演より>
この一年、私は演奏活動で忙しい中で 常にベストコンディションを目指すために、どのように身体とメンタルのケアやトレーニングをしなければならないかを考えさせられました。
トレーニングの面だと、呼吸のために必要な箇所の筋肉や体感のトレーニング、体力をつけるためにウォーキングやランニングを行いました。
これらのトレーニングは歌唱時の呼吸を安定させるためにはとても有効でした。
留学する前より、オペラ歌手はアスリートと同じとよく聞いた事がようやく理解できました。
ケアの面では喉の疲労をとる為に毎日は発声練習や曲を歌わない。
本番を終えたら、たとえ歌えたとしても、その後の2日間は休息を取る、など歌いすぎないように心がけました。
メンタルの面では、趣味に没頭したり、美味しいものを食べるなどして気分を落ち着かせております。
それらのお陰で、常にまではいきませんが、今はコンデションを崩す事なく歌えております。
私達の楽器はお金では買えないので、この楽器を守るために、身体の働きを知り、体感する事、そしてメンタルと身体のケアとトレーニングの重要性を理解しなければならないと思いました。
これからも世界で活躍できるオペラ歌手を目指し研鑽を積みたいと思います。
<カーテンコール>
<終演後、全キャストと>