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あっという間の半年間(小倉 美春さん)

小倉 美春さん/Ms. Miharu Ogura
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2024.09.6 ]

フランクフルト音楽・舞台芸術大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の小倉 美春です。

前回ご報告をさせていただいてからの半年間はあっという間でした。

 

<ラジオ・フランスでの委嘱作品収録の様子©Marion Guillemet>

 

 

学内では2つの卒業試験がありました。

2月の協奏曲試験では、ベルク《室内協奏曲》を素晴らしいヴァイオリニストAdam Woodwardさんと共演し、多くの学びがありました。

7月のリサイタル試験では、メシアン、ラッヘンマン、ドビュッシー、自作というプログラムを演奏しました。

特にラッヘンマン《セリナーデ》を演奏するにあたって、作曲家ご本人からレッスンを受ける機会があり、厳しくも温かな作曲家の眼差しを直に体験できました。

 

どちらの試験も無事合格をいただき、5年に及ぶフランクフルト音大での学生生活を終えました。

 

師匠フローリアン・ヘルシャーのもとで学んだことは、人生で最良の選択の1つだったと断言できます。

今後はフランクフルトを拠点に、フリーランスの音楽家として生きていく心づもりです。

 

<師匠フローリアン・ヘルシャーと、リサイタル試験の直後>

 

同時に、神奈川県立音楽堂さま主催の紅葉坂プロジェクトにて、企画「おんがくが『ぬ』とであふとき」の制作に励みました。

古代語「ぬ」の持つさまざまな息遣いに注目した今企画に従事したこの半年は、人生で一番忙しかったのではないかと思いますが、無事7月20日の本番を迎えられてホッとしております。

舞台作品の創作は今回がほぼ初めてでしたが、また挑戦したいです。

 

<企画「おんがくが『ぬ』とであふとき」にて、舞台監督にも挑戦>

 

作曲では、3月にラジオ・フランスからの委嘱作品《Exosomes》が放送初演されました。

最終日には30分の特集を組んでくださり、フランス語でのインタビューに奮闘しました。

 

 

10月には、ヴェネツィア・ビエンナーレにて、30分ほどのピアノソロ委嘱作品を発表させていただきます。

同じくロームミュージックファンデーション奨学生の谷口知聡さんによる演奏が楽しみです。

 

1年間温かなご支援を賜りましたローム様にいただいたご恩を、さまざまな形でお返ししていけるよう、今後とも精進してまいります。