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夏の2つの初演(小野田 健太さん)

小野田 健太さん/Mr.Kenta Onoda
(専攻楽器作曲/composition)

[ 2024.09.20 ]

パリ国立高等音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の小野田 健太です。

今回の最終レポートでは、7月と8月に行われた2つの初演について振り返りたいと思います。

 

Lucerne Festival: Sommer-Festival 2024 | 18.08.2024 | Composer Seminar |Dieter Ammann, Unsuk Chin
Copyright: Manuela Jans | Lucerne Festival

<セミナーにて自作のプレゼン中>

 

1つ目はクラリネットソロのための「Obombré」という作品で、7月28日のロームスカラシップコンサート京都公演および8月11日の東京公演にて亀居優斗さんに初演していただきました。

重音と呼ばれる、特殊な運指で2つ以上の音を同時に出す奏法が多く登場する非常に難しい曲だったのですが、両公演とも亀居さんが重音をばっちり決めてくださり、素晴らしい演奏をして頂きました。

 

8月の後半にはルツェルン音楽祭の作曲アカデミーに参加しました。

アカデミーは若手作曲家のためのセミナーとコンサートの2本立てで、セミナーではそれぞれの参加者が自作についてプレゼンを行いました。

僕も3月に初演された「Bogossitude」についてプレゼンし、セミナーの講師や他の参加者からフィードバックを得ました。

8月25日の作曲アカデミー参加者コンサートでは、オーケストラのための「Bogossitude II」が、指揮アカデミー参加者のヤニック・メイヨーとルツェルン・フェスティバル・コンテンポラリー・オーケストラによって初演されました。

この作品もまた、指揮者にとってもオーケストラにとっても難曲だったのですが、リハーサルでは和やかな雰囲気の中演奏者全員が果敢に取り組んでくださり、本番では躍動感溢れる演奏となりました。

 

そして何よりも嬉しかったのが、リハーサル中や終演後に、他の作曲アカデミー参加者や何人ものオーケストラのメンバーが「いい曲だった」「演奏していて楽しかった」と声をかけてくれたことです。

思わず泣きそうになるほど感激してしまい、次の作曲へのモチベーションが大きく膨らみました。

 

Lucerne Festival, Sommer 2024,
Composer Abschluss LFCO mit den KomponistInnen Yixuan Hu, Eden Lonsdale, Kenta Onoda, Jose Luis Valdivia Arias und den DirigentInnen Josephine Korda, Raimonda Skabeikaité, Yannick Mayaud und Daniel Huertas. Erläuterungen von Dieter Ammann und Mark Sattler
Luzern, den 25.08.2024
Copyright: Lucerne Festival / Priska Ketterer

<アカデミー参加者のコンサートにて>

 

ローム ミュージック ファンデーションの皆様には2021年度に引き続き2年間のご支援を賜りました。

この場をお借りして感謝申し上げます。